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雪蟷螂(紅玉いづき)読了 [感想・小説]


雪蟷螂 (電撃文庫)

雪蟷螂 (電撃文庫)



紅玉いづき、1年ぶりの新刊は、「人喰い」最後の物語。
もっとも、前2作と繋がった物語ではなく、「人を喰らう」という衝動が共通する物語。

長きにわたり戦争を続けていた山岳の少数部族、フェルビエ族とミルデ族。
その戦いに終止符は打たれた。
ふたつの部族の長の婚礼により、和平を結ぶはずだった。

アルテシアが美しい。
そしてそのまっすぐな様子がかわいらしい。
ルイとのやりとりは微笑ましい。

しかしこの物語の感想をどういったものか。
夢中になって一気に読んだ。
「面白かった」とただ一言で表現し得るものではない。
また、読み終わったあとにピンナップのイラストを見たとき、ぞっとした。
これこそが、「雪蟷螂」の情であるのかと。
恐怖ではない。
あまりに見事に物語とリンクした、その美しさに呑まれた。
今回のイラストはいつになく効果的だったと思う。
あの見開きの手はただ手だけであるがゆえに胸に迫るものがあった。

アルテシアは確かに存在感も格別で美しかったけれど、ロージアの物語と言っても差し支えないだろう。
なぜなら彼女は「雪蟷螂」の体現だからだ。
その生き様は鮮烈で、苛烈なものだった。
息苦しくなるほどの恋だった。
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新世界より 上下(貴志祐介)読了 [感想・小説]


新世界より 上

新世界より 上



本屋大賞候補作。

分厚さ+上下巻のボリュームに見合った綿密な世界の構築がすごい。
面白い。
でもイキモノ(昆虫・ほ乳類他)の描写と流血に拒否反応を起こしかけた。
でもそれも含めて面白かった。

思春期、「呪力」と呼ばれる超能力を取得し、やがて大人になってゆく彼女たちが住むのは、私たちの時代から1000年後の世界。
文明はやや衰退、しかし生態系は劇的な変化を遂げた「箱庭」の世界。
何気ない差異に戸惑いを感じながら読み進めるうちに、些末なことなど気にかけていられないほどの落とし穴にはまる。

早季の恋心に切なくなり、圧倒的な暴力を前に恐れ、哀愁を帯びたラストの余韻にどっぷり浸りました。
徹底した人間の残酷性に薄ら寒いを通り越して辟易したりもしましたが、その辺も読ませる要素かな。
とくに下巻は一気に読みました。
面白かったなー。
返す返すもイキモノどもの気持ち悪ささえなければなー。

新世界より 下

新世界より 下

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/01/24
  • メディア: 単行本



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貴方に捧げる「ありがとう」(野梨原花南)読了 [感想・小説]


貴方に捧げるありがとう

貴方に捧げるありがとう



「魔王」シリーズ完結。
というよりも、「ちょー」シリーズの真の完結、といった趣もあったりなかったり。
オチは新規読者置いてけぼりっぽいなあ。
ちょーからずっと読んでいる身としてはオチの後が気になってしようがありません。

「魔王」からの新キャラが勢揃いで総決算な内容が嬉しかった。
みんなあれからも頑張ってるんだなあ。
そして幸せそうで嬉しいなあ。
スマートやっぱりかっこいいなあ。
苦労人サファイアがかわいいなあ。

野梨原先生お疲れ様でした。



オチに関するあれとかこれとか。



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告白(湊かなえ)読了 [感想・小説]


告白

告白



本屋大賞候補。

上手い。
抜群に上手い。
胸くそ悪い内容をおそろしく読みやすく、そして最後まで読者を離さない奇妙な魅力でもって書いている。
全6章、それぞれ視点を変えているものの語られるのはひとつの事件なので、重複するところはありますが、そこをだれることなく最後まで一気に読ませるものがあった。
普通のひとが読んだら読後感最悪だと思いますが、この気持ち悪さは結構好きです。

しかしこれで新人とは本当に恐ろしいな。
今後どういう物語を書くのか、非常に興味があります。




ネタバレには抵触しないと思うのですが台無しになることをひとつだけ。



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太陽の坐る場所(辻村深月)読了 [感想・小説]


太陽の坐る場所

太陽の坐る場所



辻村深月最新作。

してやられた。
違和感はあった。
その違和感をずっと抱えて読んできて、それがあるときすっと消える
目の前が開ける。
この物語の作り方が、辻村深月は抜群に上手い。

ずっと辻村作品を読んできていたから、その仕掛けには気づけたはずなのにすっかりしてやられた。
お見事としか言いようがない。

高校を卒業して10年。
大人になってしまった「彼ら」と、学生だった頃の「彼ら」が折り重なるように綴られる物語は、どこか哀愁をまとっている。
あの頃から、なんと遠くへきてしまったのだろう。
そんなセンチメンタルさが、辻村深月は本当に上手い。

辻村作品の中では珍しく単独で楽しめる作品です。
これまでの作品ももちろん単独で読めるのだけども、クロスオーバーがかなり多いのでやっぱり全部刊行順に読むのをおすすめしてしまう。
もっとも、この「太陽の坐る場所」もそっと講談社作品と隣り合っているのだけども。
だから辻村深月をこれから読むひとにもおすすめしたい。
「冷たい校舎~」が頭ひとつ突き抜けているとはいえ、結構ボリュームがあるから、1冊ですっきりと読めるこれは、初心者さんにはもってこいだと思います。
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草祭(恒川光太郎)読了 [感想・小説]


草祭

草祭



恒川光太郎の新作にして現時点での最高傑作。

これは「土地」の物語だ。
どこにでもあるような、懐かしいような、どこかの町、「美奥」。
そこに「在る」不可思議な何か。

幻想小説なのだけども、軽やかさもあって恒川作品の中ではもっともひとに勧めやすい。たぶん。
「屋根猩々」「天化の宿」が好きでした。
どちらも十代の女の子が主人公のためか、なんとなく明るい雰囲気。
この2作をサンドしている2作と、真ん中に挟まってるのはいかにも恒川的な空気が漂っていて、これはこれで好き。
「くさゆめがたり」は「夕闇地蔵」と通じるものを感じました。

表紙のオレンジ色の空にとても惹き付けられる。
装丁の美しさもまた格別の、大変よい作品でした。
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バッカーノ!1931臨時急行編(成田良悟)読了 [感想・小説]


バッカーノ!1931 臨時急行編―Another Junk Railroad (電撃文庫)

バッカーノ!1931 臨時急行編―Another Junk Railroad (電撃文庫)



バッカーノの新作は2作目の後日談……ですが、読む順番は刊行順をおすすめします。


クレア×シャーネ! クレア×シャーネ!
ラブ!

……もう、これだけでテンション上がる。
1931読んだ時からずっとクレアとシャーネの再会読みたいってずっと言ってたもの。
シャーネ可愛いよ可愛い。
ジャグジーは相変わらずイイやつだなあ。
和む。
ニースと一緒だと倍和むね。
ここのカップルどもはホントどいつもこいつも可愛いなあ。


本の間にTYPE-MOONエースの広告が。
付録で成田良悟のFate/strange fakeが付くからね!
エイプリルフールに読んでテンション上がったからね!
これのためだけに買っても全然かまわないと思うよ!
っつーかこれをネットに公開にした成田良悟は本当に豪気だと思うよ。
いや二次創作だったんだけどさ。
広告に入ってる奈須きのこの推薦文がまた非常にテンション上がるんだ。

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”文学少女”と恋する挿話集1(野村美月)読了 [感想・小説]


“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)



先頃見事な大団円を披露してくれた文学少女の短編集。
短編集ですが、カラー口絵の赤ずきんな遠子のためだけに買った意義があるね!
かわいい! かわいい!

ちんまりと可愛らしい短編から、脇キャラがメインになった短編まで盛りだくさんな1冊。
1冊に収まらなくて2も出るというのが嬉しい。
美羽のエピソードもいいけども「病がちな乙女」が一番好きでした。
恋する女の子はかわいらしい。

次回、3年生になった心葉が登場するらしいので、それも楽しみ。
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断章のグリム9 なでしこ下(甲田学人)読了 [感想・小説]


断章のグリム〈9〉なでしこ〈下〉 (電撃文庫)

断章のグリム〈9〉なでしこ〈下〉 (電撃文庫)



この……グロテスクっぷりはいつも通りなのだけども、今回は今までで一番くるものがあるクライマックスでした。
なんというか、おじいちゃんが好きなので。
今回は本当にもう、植草老に尽きるなでしこだったと思います。
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七つの死者の囁き(新潮文庫)読了 [感想・小説]


七つの死者の囁き (新潮文庫)

七つの死者の囁き (新潮文庫)



恒川光太郎の名前があったというのだけが購入の決め手でした。
しかし読了した今、私に言えることはただ、

今すぐこの表紙を変えるんだ今すぐ

あからさまにホラー的な表紙で、帯の文句も「静かに怖い七つの物語)となっていますが、ホラーだと思って読むとかなり肩すかしを食らうと思いますよ。

本書は有栖川有栖、道尾秀介、石田衣良、鈴木光司、吉来駿作、小路幸也、恒川光太郎(収録順)の7名が「小説新潮」で書いた短編を1冊にまとめた文庫オリジナルの1冊。
もともとそのテーマで書き下ろしたわけではないからアンソロジーとは違うのか。
とにかくそうそうたる面子です。
裏表紙のあらすじにも「恐怖と憂愁を纏った」とありますが、どちらかといえば憂愁多め。
確かにそれぞれ死者(もしくはそれに準ずる何か)の囁きが作中に出てくるも、それは私の知るホラーとは確実に違う。
しんみり切なくなるいい話が多いので、どうかこの表紙に惑わされずに読んでもらいたい、珠玉の短編集でした。


個別にいくつか。

有栖川有栖「幻の娘」
 読んでいて有栖川先生だなあ、と安心できる空気が流れてました。
 最後の方はだいぶ飛躍したかな、と思いましたが、それはそれで。
 そういや火村シリーズの方でも人知を越えたものが出てくるものがありましたね。

道尾秀介「流れ星のつくり方」
 個人的にあまりハマらない作風なのですが、とにかく抜群に巧い。
 ハマらないけど面白かった。
 ラストがじわじわと効いてくる。

石田衣良「話し石」
 個人的にあまりハ(略
 しんみりとするとてもよい物語でした。
 ネタバレに抵触するため詳しく突っ込めませんが、この文庫に収めるのは間違っているような、合っているような(※ヒント:表紙

小路幸也「最後から二番目の恋」
 とてもよい恋物語でした。
 ……なんでこの文庫に収録されているんだろう。

恒川光太郎「夕闇地蔵」
 ノスタルジックな幻想物語という恒川光太郎の本領発揮。
 この文庫の中ではひとつだけ舞台が現代ではなく、明らかに浮いていますが、収録順が最後なので有りかな。
 独特の世界と静かな狂気が無性に美しい。

鈴木光司はさすがでした。
吉来駿作は初めて聞く名前。
デビュー作の「キタイ」の書評をいくつか漁ってみたら、面白そうだけどちょっと今は読むのがしんどいタイプの話しのようで躊躇。
文庫に落ちたら読んでみたいかも。


それぞれ味があって甲乙つけがたい、大変魅力的な物語たちでした。
こういうアンソロジー的なものは、だいたいひとつふたつ趣味に合わないものが混じってるんですが、今回に限っていえばすべて当たりでした。
返す返すも表紙が。
もうちょっと何か、タイトルにしても、あったんじゃないかと思わざるをえない。
面白いんだけどなあ。
タイトルと表紙で勧めにくいことこの上ない。
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